深刻化するバス運転手不足、理由は給料と免許?

バス運転手不足の対策へ。仙台市交通局で運転手を新規採用

近年、夜行の高速バスやツアーバスの事故などでの死傷事故発生が多発し、テレビやラジオなどでも大々的に取り上げられたことでその劣悪な労働環境などが浮き彫りとなっています。

中には事故当時に意識が無かったなどショッキングな内容もあり、早急な対策が求められていますが、今回の記事ではバス運転手不足の理由について考えていきたいと思います。

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この話題についての関連ニュースで、仙台市交通局で15年ぶりに市バス運転手の正職員を募集するというニュースを以下に引用します。

仙台市交通局は18日、市バス運転手の正職員採用を実施する方針を明らかにした。早ければ2015年度からで、2000年以来15年ぶりの再開となる。人件費圧縮を理由に採用を見送ってきたが、運転手の高齢化が著しく、このままでは担い手不足に陥ると判断した。

 全国的にバス運転手が不足し各事業者が確保に苦慮していることから、現在の嘱託運転手を内部登用することを検討している。登用分が減少する嘱託運転手については、資格のない人を採用後に育成するなどして確保し、他事業者に影響が出ないよう配慮する。

 交通局によると昨年4月現在、運転手と運行管理者ら計355人のうち、50代が260人と圧倒的に多く、全体の73%を占める。他は40代94人、39歳以下1人で、現状では10年後には全体で100人ほどに減る見込みという。

 正職員の採用再開は、市が3月末に改訂する自動車運送事業経営改善計画に盛り込む。計画には、市バスの営業赤字が他の政令市のバス事業に比べ多いことから、採算性を考慮した運行経路の設定や運行本数の見直しも掲げる。

引用元:<仙台市バス>運転手正職員15年ぶり採用へ(河北新報 Online News)

仙台市交通局に関しては、2015年12月の地下鉄東西線開業により、比較的長い距離の路線自体は減少・減便となりますが、運転手の高齢化により新規採用を進めるとのこと。

しかし、仙台市内のバス会社においては、宮城交通などでバス運転手の人数自体が不足しており、通年採用を続けていますが、後述の理由から定員が埋まらない状況が続いています。(→<かすむ復興>運転手奪い合い深刻/被災地のバス事情(中):河北新報 Online News)

バス運転手不足の理由

バス運転手不足の理由は免許と給料?

バス運転手不足の理由の最たるものとしては以下の二つが挙げられます。

一つ目は運転免許の問題。

そもそもバス運転手になるには第二種と呼ばれる免許が必要ですが、交通局の統計によれば、この受験人数は年々減少傾向にあり、合格率も3割程度とそう高くありません。

さらに言うと、この合格率3割は数回目の受験で合格した割合であり、1回目の受験で合格する割合は1割程度とかなり低いところに留まっています。

また受験資格が普通免許取得後3年以上となっており、バス会社に就職する場合には無事故であることも必要です。

このように、第二種免許のハードルの高さにより、事故を抜きに考えても、バス運転手不足の原因であると言えます。

 
2つ目としては給料の安さ。これがバス運転手不足に拍車をかけています。

高速バス、ツアーバスに乗られた方はその料金を思い出すと納得出来ると思いますが、移動手段にバスを選ぶ一番のメリットはその低料金です。(これは、長距離バスが過当競争になり賃金の値下げ合戦をしている影響が大きいです)

その跳ね返りがバス会社や運転手の給料に跳ね返ってきており、驚くような料金で遠くまで行けたり、盛りだくさんのツアーに参加することが出来ることを思えば分かりますが、バス運転手の給料は長時間労働の割に安いのです。

そのため、前述の宮城交通のニュースで触れられているように、同じ免許を持っていてもトラックなどの大型貨物運転手のほうが待遇が良いため、そちらに人材が流れて行くという格好になっています。

このように、免許を取るのが大変かつ、給料が安い・残業が多いとなれば、必然的にバス運転手不足となり、人数が減ることでこれが悪循環としてどんどん環境は悪くなって行きます。

求められる対策

バス運転手不足の対策とは

バス会社では慢性的に人手不足が続いており免許取得のための費用を出したりと人材確保のための策を捻出していますが効果ははかばかしくありません。

問題になっているバス運転手の労働環境はかなり過酷で、交代要員もないまま何百キロも運転し続けるなど、連続した勤務を続けたことが、運転手の人手不足による超過勤務や休日出勤が頻繁にある、というイメージが定着しており、死傷事故ともなれば実刑を受ける可能性もあります。

国交省は事故が起きれば締め付けを厳しくしますし、それもバス運転手不足を助長し路線の本数を減らしたりとこちらも悪循環となっています。

バス業界には、金銭的にも人的にも環境的にも底上げをしてバス運転手不足を解消するなどしてヒューマンエラーを無くし、安全性を担保し、乗客が安心してバスを利用できるようして欲しいと思います。

また、機材の面でも、最近よくテレビなどで見かける自動緊急ブレーキを新車だけでなくなるべく多くのバスに搭載するなどの措置も行って安全度を増すということが望まれます。

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