ゲーム実況と著作権。実況は本当にグレーゾーン?

ゲーム実況はグレーゾーン?

ゲーム実況の配信機能を標準搭載したPS4やXbox Oneの発売や、ニコニコ動画やYouTubeで任天堂がゲーム実況の権利許諾するといったことなど、近年、急速にメーカー側がゲーム実況を容認するケースが増えてきています。

しかし、これはゲーム全体で見ればまだ一部に過ぎません。
前述のように、宣伝効果があるとしてメーカー側が奨励しているケースもあれば、著作権や権利の観点は認識しつつも黙認しているケース、そして明らかに違反動画であるとして削除されたりと「ゲーム実況はグレーゾーンである」という点は、未だ議論されているところがあると思います。

果たして、ゲーム実況の著作権やメーカーの権利とはどのようなものなのか、今回は改めて考えていきます。

スポンサーリンク

ゲームは映画の著作権として扱われるけれど..

ゲーム実況についての法的問題の前に、過去に起きた「中古ゲームソフト事件」という裁判を取り上げます。

そもそもゲームの映像は著作権法上は『映画の著作物』として扱われており、過去の裁判例として記録に残っています。(参考:【著作権:資料】参考裁判例: 中古ゲームソフト事件 最判平成14年4月25日 (特許業務法人 三枝国際特許事務所サイト) )

しかし、中古ソフトの販売に関して争ったこの裁判の判例では、頒布権(映画の著作物を頒布する権利)をゲームメーカー側に認めつつも、大量に製造されたゲームソフトは、その一つ一つは少数の者によってしか視聴されないということが明白であると判断がなされ、中古ソフトの販売は継続されました。

2015年9月23日追記

この中古ゲームソフト事件の記述については、記事公開後に追記したものです。

本記事の内容が誤解・誤導に繋がるという問い合わせを受けたため、追加させていただきました。また、以降の項目についても加筆修正しています。

ご指摘いただきありがとうございました。

ゲーム実況の場合はどうなるのか

さて、この中古ゲームソフト事件では、ゲームはの一つ一つは少数の者によってしか視聴されないということが明白であると判断がされましたが、ゲーム実況の場合は大多数の人に見てもらうことが前提となるため、この事例がそのまま適用されるかどうかは判断が難しいところです。

映画の場合、映画館で上映が始まる前に著作権に関する警告映像が流れるように、映画の場合、盗撮は著作権の侵害となります。

ゲームの場合、商業的目的ではない私的複製で個人で録画して見る分には問題ありません。
しかし、ゲーム実況として動画サイトなどに公開したら私的複製とは認められませんし、改変ツールなどを使用した場合は「同一性保持権」の侵害となる場合も考えられます。

動画を削除するのはメーカーと動画運営サイドの判断

ゲーム実況は著作権法に違反している

私自身も過去にゲーム実況をやっていた立場からすると非常に書きにくいことではありますが、ゲーム実況がグレーゾーンであることには変わりはありません。(メーカー側が公式に承認している場合を除く)

これまでもニコニコ動画などにアップロードしたゲーム実況動画が、著作権法違反と明記はされておらずとも、メーカー(または動画運営サイド)の利益を損なうなどの理由で削除された例は数多くあります。

また過去には、アダルトゲームメーカーがアンケートを取った所、動画サイトを見て買ったというのは一人しかいなかったというアンケート結果も公開されており、「ゲーム実況はゲームメーカーの利益になる」という考えも単純には通用しない側面もあります。

※物語を中心に話を進める「ノベルゲーム」においては、ゲームの根幹を公開する事にも近く、被害が大きい為権利者もかなり厳しく取り締まる傾向にあるようです。

このため、こういった黒に近いグレーゾーンから脱却するために、動画サイト側では公式にそういったコーナーを立ち上げて、選ばれた実況プレイヤーがゲームメーカーから権利を取ったゲームの実況動画をアップするという取り組みも行われています。

ただしこれに選ばれるには、結局選ばれる前に非公式の実況動画で人気を得る必要がありますし、「公式の許可を取る=宣伝媒体としての実況」という図式になってしまいゲーム実況自体の面白さが薄れるという意見も存在します。

管理人が行った対策

ところで、管理人はこれまで、ゲーム実況(3つ) + ゲームセンターのクレーンゲームの実況を行ってきましたが、公式に許可が出ていないゲームのタイトルを選ぶ際は、以下を気を付けていました。

・プレイ動画や他の実況が既に存在するタイトルを選ぶ
・発売から最低でも3ヶ月は経過したものを選ぶ (発売直後には出さない)
・ゲームセンターのクレーンゲームでは、お店に許可を取る

勿論、これらを行っても前述の通り、著作権や利益保護の観点で実況動画が消されてしまう可能性はありますが、新作をすぐにアップロードするよりも削除されるリスクは低いと思うので、参考までにお願いします。

なお、仮にメーカーや動画の運営サイドから削除の依頼を受けた場合は、素直に従い、そのタイトルでの実況は控えることが必要になってきます。

スポンサーリンク