富谷町への設置の実現性は?ライトレール(LRT)の特徴について

富谷町へライトレールが導入される?

LRTの特徴

 

ライトレールとは、LRTと略称される、次世代型路面電車車両です。

ヨーロッパなどでは広く導入が進んでしますが、日本でも導入されている都市がいくつかあり、最も有名なものの一つとしては、富山県富山市に整備されている「ポートラム」があります。

 

このライトレール(LRT)は、仙台市の隣の富谷町に導入が検討されていますが、今回はこのライトレールの特徴や既存の交通機関と比較してのメリットなどを挙げると共に、富谷町への設置の実現性について考えていきたいと思います。

 

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以下、このLRT導入に関して、まずは河北新報のニュースを抜粋します。

 

仙台市議会2月定例会の予算等審査特別委員会で26日、市地下鉄南北線泉中央駅(泉区)から富谷町までのライトレール(次世代型路面電車)設置を掲げて当選した若生裕俊町長の公約をめぐる質疑があった。降って湧いたような話に加え、いまだ町から相談はなく、市側の困惑した答弁が目立った。
 木村勝好氏(市民フォーラム仙台)が質問した。構想実現には、市内でも線路敷設が必要になり、費用を負担する可能性が出てくる。小島博仁都市整備局長は「町が事業主体や費用負担などを、どう考えているのかを知りたい」と述べた。
 木村氏が「町から話は聞くが、協力できない場合は協力できないというスタンスか」とただすと、小島局長は「議員と同じ考えだ」と同調した。
 奥山恵美子市長は「まずは町が議論する問題だが、われわれはライトレールが市内を走行することを想定していない。きちんと研究し、知見を蓄える必要がある」と、もしもに備える考えを示した。

引用元:「地下鉄延長」実現できるの?富谷町長の公約めぐり質疑(河北新報 Online News)

 

富谷町は仙台市のベットタウンとして人口が増え続け、日本の町村の中での推計人口がなんと一位となっていますが、近隣の都市である仙台市からは車以外でのアクセス手段がバスしかなく、仙台市地下鉄延長の要望が常に出されています。

しかし、地下鉄はあくまで仙台市の持ち物であり、その代替として、冒頭に挙げたライトレールの導入の話が出てきていることが考えられます。

 

ライトレールのメリットとは何か

ライトレールのメリット

 

ライトレールのメリットとして良く挙げられるのは、「環境負荷が少ないこと」「バスなどに比較すると渋滞が無いので、時間が正確であること」が挙げられます。

また、バスのように乗り降りの段差も少ないので、乗客数もバスよりも多く運ぶことが出来ます。

 

しかし、それだけでは無く、観光の目玉になることも大きな経済効果の一つとしてあげられます。

昔のいわゆる「チンチン電車」とは異なり、デザイン性が高いライトレールトレインは、町並みを大きく替える資産の一つです。

また、電車のように大きな予算を必要とせず、比較的大きな道路や中央分離帯が大きい道路であれば、電車に比べて低予算での整備が可能です。

冒頭に挙げたとおり、ライトレールは特にヨーロッパでは盛んに整備されており、そのデザイン性の高さから、町並みをおしゃれにしていると言われ、観光客の写真の被写体になることが多いのも特徴です。

 

ライトレールのデメリットと、富谷町への導入の効果

しかし、ライトレールにはメリットだけでは無くデメリットもあり、その代表的なものが「運行距離が電車に比べて短くなる」という問題です。

 

都市部や新興住宅地区をバスのように走らせる場合はメリットが大きいのですが、その構造上、軌道敷と道路を区切るフェンスが無いため、スピードを電車のように挙げることは不可能なためです。

したがって、都市部とのその近郊を効率的に結ぶのが、最も効果的な整備方法といえます。

 

その点、都市部にあたる仙台市と、そのベットタウンとして位置づけられる富谷町へのライトレール整備は効果的ともいえます。

特に、今後の高齢化社会を踏まえた都市計画を効率的に進めていくためには、公共の交通機関の整備は、その土地の価値を大きく挙げることに繋がります。前述のメリットである、環境負荷が少ない、渋滞がない、乗りやすいといったメリットはこれに合致します。

また、バスに依存した従来の公共交通機関の代替えとして、運行時間が正確で効率的かつ環境にも優しいライトレールの整備は、将来的に安定した宅地開発や居住にも繋がり、ニュータウンの老朽化や世代代わりが無くゴーストタウン化することを防ぐ効果も期待できます。

 

なお、注意事項としては、昔のように路面電車に慣れていない現在のドライバーにとって、路面電車との混合交通は、戸惑うことが多いと考えられます。

したがって、整備に際しては、車との事故や人身事故につながらないように、一般市民への広報や教育、分かりやすい標識などの整備を合わせて進めていく必要があります。

 

導入された場合のルートは? 実現性には?マーク

 

 

さて、富谷町へのライトレール導入は効果的ではありますが、実現性というと正直微妙だと思います。

富谷町へのライトレールを設置するとなると、ニュースにあるように、仙台市地下鉄南北線の泉中央駅から比較的大きな幹線道路を通って富谷町まで至るルートである必要があります。

一番近い距離でも、現在の将監トンネルを通ってバイパスを越え、竜泉寺の湯などがある泉大沢付近を通りつつ富谷町に至るルートが考えられます。

また、国道35号や奥州街道を通ってバイパスを走るルートや将監団地を経由するルートもありますが、いずれも仙台市側に大きな工事が必要となるため、予算などの調整の難解さや仙台市側の経済効果の貢献度が不透明な点を考えると、富谷町への地下鉄南北線の延伸並みに、実現性は限りなく低いと思われます。(→切り札は富谷町との合併?仙台市地下鉄南北線の延伸の可能性を探る)

 

なお、余談ですが、奥州街道を通るようなルートは、仙台市から現富谷町を経由して古川辺りまでに至った旧仙台鉄道のルートに近く、仮に実現した場合は少しこみ上げてくるものがあります。(→今は無き仙台鉄道、その路線図や歴史を訪ねる)

 

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