仙台でタクシーの強制減車が開始。仙台のタクシーはなぜこんなに多いの?

仙台のタクシーの新規参入が禁止に?

仙台でタクシーの新規参入が禁止に

都市圏の道路などを走るタクシーはかつてよりもその台数が増えており、特に仙台市ではタクシーの利用者の数と比較しても明らかな過剰供給状態が見られます。

管理人自身は、国分町からの帰りや大雨でバス停まで歩くのすらままならない時などの数回しか使ったことが無いのですが、仙台駅西口方面を見ているとタクシーはやはり多い印象があります。

さて、仙台のタクシーは、事故や法令違反の件数が全国平均より多いとも聞きますが、今回の記事では仙台のタクシーが多い理由や2015年6月から仙台のタクシーの新規参入が禁止されたなどのニュースを取り上げていきます。

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仙台のタクシーが多い理由

なぜ仙台ではここまでタクシーの台数が増えたのかというと、2002年のタクシーの数量規制廃止が大きく関係しています。

2002年以前は事業所として登録するには最低60台の車両があり、かつ新車で所有しなくてはならないという規制がありました。
しかしこの規制緩和によって最低必要台数が10台となった上、中古車をリースで借り受けるというような形でも良いというように変更されたのです。

これによって事業として参入するハードルが著しく下がり、まずは10台の車で参入して、ゆっくりと所有する車両数を増やすというような形で経営する事業者が大幅に増加したため、全国的にタクシー業者の数が増えました。

なお、仙台では一時期(2008年頃)、新規参入の場合は最低車両数の引き上げや所有台数を減少させるメリットの拡充などで台数削減に乗り出しましたが、それでも十分な効果は見られませんでした。

東日本大震災の影響

更に、仙台のタクシーの増加は、2011年の東日本大震災も関係していると言われています。

東日本大震災によって甚大な打撃を受けた東北地方では、それまでの事業所の多くが失われる惨事となりました。

倫理的な話は別として、これまで市場シェアを握っていた事業者がそのシェアを著しく失うことがあったのであれば、その隙を逃がさないために新たに参入する事業者が出てきます。
その結果として震災後、東北の拠点のひとつとして多くの人が行きかう仙台市では、新たにシェアを得るために多くのタクシー業者が参入をしたと聞きます。

もちろん、それが震災後に不通となった電車などの交通問題の解決に一役買ったということは確かですが、同時にそれは過剰供給の状況を招いた一面もありました。

国による仙台のタクシーの強制減車が始まる

仙台のタクシーが多い理由

現在では、国土交通省を中心としてこうした過剰供給状態を解決するための取り組みが全国的に行われており、仙台市もその対象となっています。

この取り組みは、秋田市、熊本市、そして仙台市で2015年6月1日から3年間、新規参入ができなくなるなどの施策となります。
以下、このタクシーの強制減車のニュースを抜粋します。

国土交通省は26日、タクシーの過当競争を防ぐため事業者に台数を減らすよう強制できる「特定地域」に、秋田と熊本の両市を中心にした区域と仙台市の計3営業区域を、6月1日から3年間指定すると発表した。タクシー事業適正化・活性化特別措置法に基づく初指定で、年内にも減車が始まる。

 3区域では格安運賃が引き続き認められないほか、新規参入ができなくなる。状況が改善しなければ期間を延長できる。事業者と地元自治体などで構成する協議会が減車の手法やサービス向上計画を盛り込んだ計画を作成する。

 国交省は3区域と同時に新潟市を中心とする区域の指定も運輸審議会に諮問していたが、地元での説明会開催の要望があったため、6月以降にずれ込む。

 国交省は諮問した4区域以外に25区域を特定地域の候補としており、順次諮問する方針。

引用元: 年内にも秋田、熊本、仙台各市内の3区域で減車へ タクシー過当競争防止 (産経ニュース)

仙台のタクシー業界の問題点とは

ところで、過剰供給の状態は消費者からすれば便利な状況であるようにも見えますが、実際にはメリットよりもデメリットの方が多いのかもしれません。

多くのタクシーが走るようになってもそれで顧客が増えるわけではなく、結果として多くの業者がもともとの利益を奪い合い、一社ずつの利益は少なくなります。
それによってタクシー業者は経営状態が悪化し、運転手の賃金削減やこれまでよりも長時間の運転を強いるようになるなどの事象が発生することは予想するまでもありませんし、排気ガスによる環境負荷も高まります。

先ほどの施策は、赤字事業者が多かったり事故が多いなどの地域に対して行われているようで、仙台市に課せられるのは妥当だとも思われますが、いきなり国が介入して削減をするというのは失業者を生むことにも繋がりかねないといった面もあります。

なお、仙台(東北)のタクシー業界では「若手のドライバー不足」といった問題もあります。
最後にそれを取り上げたニュースの抜粋で、本記事を締めくくりたいと思います。

 運転手の高齢化が進む東北のタクシー業界が、若年層の人材確保に向け、運転手に必要な二種免許取得の要件緩和を国に求めている。具体的には、現行の「21歳以上・普通免許取得3年以上」から「19歳以上・運転経験1年以上」への引き下げだ。安全性の問題から国は慎重姿勢を崩さないが、「雇用対策につながる」と東北の経済界も業界の動きを支援している。

 緩和を求めたのは、東北ハイヤー・タクシー連合会。慢性的な若手不足を解消しようと、ことし3月、免許業務を所管する警察庁と、業界を監督する国土交通省に要望書を提出した。

 連合会によると、全国屈指のタクシー激戦区の仙台市では2月末現在、約5600人いるドライバーの平均年齢が60.2歳に上る。20、30代はわずか3.4%しかいない。

 安全面などから行き過ぎた高齢化を懸念し、若年層ドライバーの確保を目指す業界にとって、免許取得の要件が最大の壁になっている。連合会の佐々木昌二会長(宮城県タクシー協会会長)は「高卒の場合、大半が21歳までに就職し、タクシー業界は採用面で不利な状況だ。年齢を緩和すれば職業選択の幅も広がる」と訴える。

 こうした動きに対し、国は緩和に反対の姿勢だ。警察庁によると、安全面で一般の一種免許より要件を厳格にしているにもかかわらず、タクシー運転手が第一当事者となった事故は一般の約7.8倍もある。同庁運転免許課の担当者は「交通安全上、要件緩和は適当ではない」と説明する。

引用元: 若手確保へ「要件緩和を」 東北のタクシー業界 (河北新報 ONLINE NEWS)

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