仙台市の選挙の票水増し事件から考える、不正を行う心理とその対策

仙台市青葉区の選挙で起きた「票の水増し」による不正

多方面で話題になっていますが、2014年12月に行われた衆議院議員総選挙において、仙台市青葉区の開票所で「票の水増し」が行われるという事件が起きました。

なお、さらにこの事件を受けて過去10年間に行われた選挙の投開票状況を調査した結果、有効票の集計漏れなど3件のミスがあったことなども発覚しています。

 

選挙は「公正に行われること」が大前提として存在しているため、当然ながらこの選挙で不正を行うということは、重大な犯罪行為となります。今回は、過去に別の県でも起きた選挙の不正の例を取り上げて、原因などを考察していきます。

 

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まず、仙台市のニュースを取り扱った河北新報の記事を以下に抜粋します。

 

水増しは、担当者の入力ミスで実際より多くなった確定投票者数に対し、投票数が約1000票不足したのが発端。最終集計担当の男性係長は原因が分からないため、区選挙課長の了承を得て不正を実行し、つじつまを合わせた。
 男性係長は調査に「どうしても解決できず、とにかく結果を確定しなければと考えた」と説明。課長には「こういう形を取るしかない」と提案したという。課長は区選管トップの事務局長には伏せていた。
 「単純ミスを取り繕って上司に報告しない。過去と同じパターンで組織としての問題がある」。8日の市議会議員協議会で、ある議員が問いただすと、奥山恵美子市長は「改善に取り組んできたが、選挙という重大事案でこのような事態が起きる風土や土壌が残っている。組織の未熟さ、私の力不足が明示された」と謝罪した。
 別の市幹部は「市役所内でミスを責められたくないという意識が強くなっているのだろうか。誠実に対応せず、ましてや隠せば市民の信頼を失うという危機感が欠けている」と憂う。

引用元:<票水増し>取り繕い過去にも 問われる体質(河北新報 Online News)

 

今回の衆院選小選挙区の仙台市青葉区での開票作業では968票が不正水増しされ、国民審査においても500票の水増しが確認されています。

 

高松で起きた選挙の不正について

高松市で起きた事例

 

本件については、現在では宮城県警が告発を受けて捜査に当たっていますが、こうした不正選挙の事例は初めてではありません。代表的な例としては、近年では2013年の参議院選白票水増し事件があります。

 

これは2013年7月21日に施行された第23回参議院議員通常選挙において、香川県高松市選挙管理委員会が比例代表の開票の際に、集計済みの白票300票あまりが「再度入力」という形で水増しを行ったものです。

 

しかし集計後、当選した参議院議員である衛藤晟一氏が「高松市内でだけ得票数が0票になっている」ということに疑問を感じて告発を行い、それに続く2013年8月には高松市に対して「白票を2回計上した」という内容を含む匿名の投書がされたことによって、事件が明るみに出ることとなりました。

 

そして2014年6月25日には当時の高松市選挙管理委員会に所属していた容疑者3人が逮捕され、それぞれの立場が「農業委員会事務局長」、「高松市税務部長」、「高松市消防局次長」という高い地位にいた人であったことから、事件が日本中で取り上げられることとなりました。

 

結果として三名は裁判にかけられた後に執行猶予付きの懲役刑となりましたが、その際の検察の調べによると「白票を329票水増しし、同時に衛藤晟一氏の票を312票減らした」という内容の供述をしました。

 

これは公正な選挙を監督するべき立場にある人々が、己の勝手な意思によって不正を行うことで、一般市民の持つ票を不当に奪い去ったのと同じことであるといえます。

 

なお、私自身は選挙のバイト、投票事務の体験談。暇なのに給料が高いって本当?の記事に書いたとおり、投票事務の業務にのみ携わった経験がありますが、投票事務においては関係者が投票済みの票に触れることは無いため、不正が入り込む余地が少なく、数の集計を行う開票事務においてのみ不正が起きやすい環境であるといえると思います。

 

不正を行う心理と対策について

不正を行った心理としては、仙台で起きた事件では、時間が迫るなかでミスが発覚し、時間オーバーとなれば余計な費用がかかる、ミスを咎められるといった考えからこのような判断に至ったと思われます。(そもそもこのミスは男性課長のミスではありませんでしたが)

すなわち、単純なミスは起きるものと思っておらず、途中でのチェック体制が確立されていないこと。そして緊急時の対応が整備されていなかったといえます。

 

もちろんミスを責められたくないという心理もあったとは思いますし、私も単純なミスなら隠そうとするので、この男性課長の気持ちは分かります。誰でもそれは共通なことだと思います。

 

しかし、冒頭で述べたとおり、選挙は不正が許されない性質のものであり、2013年、2014年と不正選挙が明るみに出てきたことによって、日本国内には制度そのものへの不信感を抱く人が少なくない状態になっています。

日本という国が本当に民主的な政治を行っていくためには、こうした問題に対して適切に対処し、信用の回復に努めることが求められていると思います。

 

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